350年の歴史 演劇の殿堂

平成11年10月31日
中座ラスト公演
藤間遊子創作の世界
上村松園を舞う

山々が茜色に染まる美しい季節に、演劇の殿堂としての歴史を閉じる事となった中座

幼い頃父母に連れられ はじめて観た女形の 忘れられない美しさ
 学生時代、芝居好き仲間で立ち上げた歌舞伎研究会で、何度も通った楽しい舞台

学業を終え、舞踊家を目指してからは
藤間良輔先生 藤山寛美先生  公演が終わったあとの舞台稽古で、
夜明けをむかえるころまで、厳しい勉強をさせていただいた日々・・

懐かしい中座の想い出が走馬灯のようにかけめぐります

思い出のつまった中座のラスト舞台を務めさせていただく運びとなった事は、
この上なき喜びと、感謝の念でいっぱいでございます。


プログラム一部は、少女時代からの憧れであった上村松園を題材に取り上げ、
人生と作品を創作舞踊として制作いたしました

上村松園を舞う都で生まれ咲きった日本画家松園の人生


松園のセリフ
「母は私を産み育ててくれたばかりでなく、私の芸術までも生んでくれはった・・」

上村松園は、幼き日に父を亡くし、お茶の販売を営む母の手ひとつで育てられました。
そのころの茶店は、文化人が集うサロンでもありました。
松園の高い芸術性は、このような環境の中育まれました。